ワーク・ライフ・バランスとは1980年代後半、不況下のアメリカで普及していったビジネス戦略です。その後、日本では2000年頃から少しずつ広まっていきました。

ワーク・ライフ・バランスとは、単にワークとライフの割合を見て、そのバランスをとることではありません。また、単に労働時間を少なくすることでもありません。

ワーク(仕事)とライフ(仕事以外の生活)を調和(ハーモニー)させることによって、その双方に相乗効果をもたらすものです。仕事以外の時間を充実させることによって、それらが仕事にもフィードバックされ能率を高めるということにつながっていきます。

 

ワーク・ライフ・バランスについて

 

また、昨今では行政側もワーク・ライフ・バランスの普及に取り組んでいますが、その背景には日本の急激な少子化問題があります。日本の生産年齢人口(15歳~64歳)は2012年には8000万人を割り、2055年には4595万人になると推定されています。

この数値を見ても現在の働き方や体制のままでは、今後の会社の維持、運営が成り立たなくなるのは明白です。働く人が今の半分の人数になった時に会社はそれまでと同じように利益を出し続けることが出来るでしょうか?

また、加えて高齢化も更に進むため、働く人が少なくなるだけではなく、その働く人たちの多数が親の介護などで制約を受けるようにもなってきます。

今後は育児休業取得者よりも介護休業取得者の方が増えると見られています。

ライフ(仕事以外の生活)の制約を受ける人が雇用の継続が可能となるように、それを受け入れられる社内体制や多様な働き方が用意されていること。

そして、それらが上手に機能している会社にするためにもワーク・ライフ・バランスは有効です。

ワーク・ライフ・バランスが浸透した企業には、長時間労働の削減、生産性の向上、従業員の満足度向上及びそれに伴う顧客満足度の向上、売上の増加、人材の定着率向上、優秀な人材確保などさまざまな効果が得られています。

自社の課題を明確にし、自社に合った取組を行っていくことがワーク・ライフ・バランスを進めていくには重要です。